兪楽で治す

治 療 方 法

当院における治療は、骨盤調整による「筋骨の調整」と鍼灸治療による「気血の調整」を併せて行うことにより、「自然治癒力」を賦活化することを目的としています。もちろんそれぞれの患者さんの状況は一様ではありません。仮に同じ疾患だとしても、体 の構造も、これまでに至る個々の歴史も、何よりもそれぞれの感受性が同じであるはずがないのです。「痛い」という同じ表現を使ったとしても、他人が使った 「痛い」と自分の「痛い」が同じものかなどわかりようもありません。あるべき治療も同じだと思います。それぞれの人の痛みに寄り添うためには、それぞれの人に合わせ、最も効果の高い治療法を模索していく必要があります。是非治療の印象や治療後の状況・変化、感想などお話しください。治療は準備まで含めてトータルで1時間程度。しっかり時間をかけてオーダーメイドの治療を目指しています。

1. 骨盤調整

「腰」は体を示す「月(ニクヅキ)」に「要(かなめ)」 と書き、その字のごとく体の中心だと考えられています。そしてその腰を支えているのが「骨盤」です。この骨盤がずれていればその上にのっている背骨は歪み、また足の長さにも影響を与えて、さまざまな病気の素になりそうなことは容易に予測がつきます。「すべての病が骨盤の歪みから生じる」とは言わないまで も、いろいろな体の不調と相互関係がありそうだということは事実でしょう。実際に骨盤の歪みを原因として発症している病であれば、この歪みを調整するだけで症状があっという間に改善されることもずいぶん見てきました。
当院では「気血の調整」にあわせて、骨盤調整による「筋骨の調整」を実施します。

2. 鍼灸施術

当院の鍼灸治療は東洋医学的な考え方にもとづき、経絡や経穴を運用することで気血水の滞りをなくし、五臓のバランスを回復させるものでもありますが、西洋医学的に解剖・生理学を運用し、神経や筋肉の走行、体表内臓反射による自律神経の調整といった観点から痛みや不調にアプローチするものでもあります。鍼にしろ、お灸にしろ、ひとつひとつの刺激という治療行為が、あるべき陰陽バランスという位置に戻してくれるものであり、大きな副作用はないということ、また薬などの異物を体内に入れることもなく、体を手術などのように侵襲することもない、もともと本人が有する自己治癒力を賦活する、極めて自然療法的な治療であることを前提とすれば、いろいろな考え方に基づいて治療を重ねても決して悪い方にはいかないと信じているからです。それよりもさまざまな観点から、その人に合う治療を模索し、痛みや不調から解放してあげたいと願うことの方が大切だと考えています。

(ア) 東洋医学的鍼灸治療
① 四診による証立て

東洋医学は下表のとおり四診により証を立てる(病の全容、治療法を判定する)ことから始まります。

望診
(ぼうしん)

顔色や、光沢(つや)、表情、目つき、姿勢など形態の変化から内部変化を観察し、病気の性質や予後を判定する診法です。

聞診
(ぶんしん)

呼吸音や声、臭いなどから体の状況や臓腑・経絡との関連を判定する診法です。

問診
(もんしん)

熱や汗、食欲や排泄、月経の状況など本人や家族に確認することによって体や病の状況を判定する診法です。

切診
(せっしん)

脈やお腹の状況を手で触れて確認することによって体や病の状況を判定する診法です。

② 急則治標、緩則治本
証にもとづき決定される治療穴に刺鍼します。この際本証と標証という考え方があります。 「本」とは根本・本質を意味し、体質や現病の症状を引き起こしている臓腑のバランス不調など主たる原因のことです。それに対して「標」とは現実に本を原因として引き起こされている現病の局所症状のことをいいます。この本標は古典によれば「急則治標、緩則治本」と言われ、症状が急であればまず標から治療し、次に主たる原因である本の治療をする、症状が急でなければ本を主に治療するというのが原則です。 当院の治療についてもこの原則にもとづき、四診にもとづく証に対して、急性症状の場合はまずその症状に対する直接的な治療を局所に施し、慢性症状の場合は症状の原因に対する経絡的なアプローチを併せて実施します。

③ 不通即痛
また「不通即痛」という言葉もあります。どこか滞りがある時、その場所が痛む、つまりどこか痛い時はそこに気血水いずれかの滞りがあるということだと思います。鍼や灸を用いて、その滞りを経絡に沿って流してあげられれば、痛みを始めとした不調が取り除かれるはずです。

(イ) 西洋医学的鍼灸治療(現代医学的鍼灸治療)
西洋医学的鍼灸治療という言葉を使うとあたかも西洋医学において鍼灸という技術が認められているかのような誤解を与えてしまうかもしれません。残念ながら鍼を体に刺入することで痛みや不調を改善する機序についての理論やデータによる裏付けがしっかりしていない現状においてはまだ西洋医学が鍼灸の効果を認めているとは言い難い状況があります。ここで「西洋医学的」と言っているのは鍼灸をどこに施すかという際に経穴や経絡、五行論といった東洋医学的な考え方に基づくのではなく、解剖・生理学をベースに筋肉や神経の走行、デルマトームといった神経と体表支配領域との関係性などから刺入する場所を決定していく方法論のことです。また、鍼を刺入すると局所の血流が改善するという現象については科学的に認められているようです。

① 創傷治癒機転
鍼を刺入するとフレア反応といって皮膚の表面が刺入点を中心に赤くなる反応を確認することができます。鍼という異物に向かって体が反応し、血液を集結させる、もしくは鍼によって小さな創傷が生成されたためそれを修復するために血液を集結させる自己免疫の機序によるものと考えられています。局所の血流を改善することにより、痛みや痺れといった局所の不調を調整することができます。

② トリガーポイント
痛みが運動痛である時(安静にしている時には痛みがないケース)には、その原因が筋肉の拘縮(短縮)であることが多く考えられます。こうした時は原因となる筋肉を特定し、その筋肉の筋腱移行部(筋肉はその両側で腱となって骨についているが、筋が腱に移行する場所)で、圧すると痛みを誘発する場所(トリガーポイント)に鍼を刺鍼します。原因筋の拘縮を緩和することにより運動痛を和らげることができるのです。そして究極のトリガーポイントは症状がでている痛みの場所そのものです。およそこの場所は圧すると筋の拘縮が確認でき、ここに刺鍼することにより、拘縮を緩め、痛みをとることができるのです。

③ デルマトーム(皮膚分節)
脊髄から出ている神経は頸部から腰部にかけて脊椎の間から出て、体表の感覚を支配しています。(どこから出ている神経が体表のどの部分を支配しているかのことをデルマトームと呼んでいます。)例えば、手の中指に痛みがあるようなケースでは頚の下部(第6頸椎と第7頸椎の間)から出ている頚神経の障害がその原因となっている場合が多いのです。痛みの発生している場所を支配している神経が脊椎のどこから出て、どのように走行し、またどこに絞扼されやすい構造があるかなど、デルマトームを考え、刺鍼の場所を選定し、治療を行います。

④ 体性内臓反射機転
さらに背部や腹部には内臓の不調を反映する体表の場所が経験的に確認されています。東洋医学における背部兪穴や腹部募穴というツボに一致することが多いのですが、体表を圧して痛みがある時、内臓の不調を考えたり、逆に内臓の不調がある場合に対応する体表の場所に刺鍼することで内臓の調整を行うことでできるのです。


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